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ビーフライとアボカド

アボカドの花がどんどん咲いてきました。

今回は今までとは違って花が多い。さすがに今年こそは実ができるのでは!

前回は大きくなった木が花を咲かせた後にいっきに弱って夏の暑さに耐えきれずひどい姿と化してしまったので何としても守ってやりたい。尊敬すべきアボカド大先輩にハウス内の動画を見てもらって相談して色々教えて頂いたりと四苦八苦しております。神にも先輩にもすがる難題だらけのアボカド栽培です。そんな私を置き去りにする勢いでアボカドたちは日々成長を続けます。とにかく良いと思うことを全部やるつもりで試していくしかありません。

まだまだ蜂を入れるほどの数でもないので自分で筆をもって受粉しようかと思っていましたが教えて頂いた1つがこちら。ビーフライ。ハエのさなぎです。調べてみたら研究所が奈良県に!!!奈良のイチゴ農家さんでの使用が進んでいるみたいです。蜂ではなくてハエで受粉する技術が進んでいるなんて初めて知りました。蜂の補助役として使用している果樹園も多いみたいです。アボカドの実績は?と聞いてみると2軒から購入はあるけど結果は分からないね。リピートしてくれてるので一応アボカドの花にも反応はすると思うけどねと・・・。

まずは孵化の方法。研究所やら販売元やらに電話して相談。要するに箱に入れて温度をかけてやると良いらしい。発泡スチロールの箱にペット用のホットカーペットを入れて新聞の分厚さで温度調整してその上にパックごとハエのさなぎを置きました。1000匹購入しましたがとりあえず半分の500匹を温め、残りは冷蔵庫に保存することに。

なんと、設置から2日後には驚く量のハエが!!

箱を開けた時には飛び出してきた黒い影に思わず声を上げてしまいました。

温めるのは4日ほどと聞いていたけど・・・温度高すぎたのかしら?そこから3日間ほど孵化が続きました。残っているのは殻なのか?まだ産まれていないのがいるのか?良くわかりませんが飛んでいるのが何匹くらいかも検討つきません。

とりあえずは飛び立ったハエたちが無事に花にたどり着いているのを発見して一安心。ミツバチは15℃~25℃で晴れた日に活動しますがハエは10℃~35℃と低温にも高温にも強く寒い宇陀市のビニールハウスという環境にはありがたい。そして、曇りの日も雨の日も元気に活動します。蜂と比べると受粉効率がどうなのかはわかりませんが見ているかぎりとっても花にたかってます。期待してよいのかな?そして何より刺さない。ハエというとネガティブイメージが強くて少し抵抗もありましたが自分で温めて孵化させてみると案外かわいくも思えるほどに抵抗はありませんでした。一応ビーフライは医療用開発された無菌の幼虫からとからしいのでそういうことにしておきましょう。

花の数や面積に対するハエの数がどれくらいで適正なのか分かりませんが春にブルーベリー園に集まるハチや虫の量をイメージしてハエを順に孵化させようと思います。そうなるとハエの寿命と適正温度なども観察が必要です。今年はまずはそういう勉強と調査と思って色々試して記録していきます。寿命は10日~2週間とのことですが花が少なく食糧が足りないといけないのでなんとなくグラニュー糖とか置いてみましたがハエが集まる様子は全くありません。水なんかもおいてみましたが定期的にアボカドに水をやるのでこちらもあまり意味がなかったようです。

問題は脱走者です。ミツバチは巣箱に戻ってくる習性があるとかなんとか。ハエは逃げたら逃げっぱなしで減る一方です。温度調整で換気したり水やりの時なんかがとっても脱走チャンスになってしまいます。4㎜目のネットで入り口付近をガードはしてみましたがビニールの内張りの隙間とか色んな場所からちょいちょい外に出ようとするハエがいたりします。外にでたら寒過ぎてきっと生きていけないよ~と呼びかけてはおりますが出る子はいっちゃいます。寒っ!とUターンするお利口な子もいるので面白い。ハウスの中を歩いてもハエがどれくらい減ったのか今何匹くらいいるのかよくわかりません。色んな虫に囲まれて暮らしていますが数で考えてみたことなんかほとんどありませんから。ちなみに、ビーフライは1匹2円くらい。出ていく子や墜落死してる子をみるとついチャリンチャリンと2円に見えちゃいます。それでもミツバチと比べたらとってもリーゾナブルです。

ハエの天敵は私の敵でもあります。孵化初日に生まれたてのハエを運んでいるクモを発見。ひどすぎる。孵化前にクモの巣はできるだけ掃除しましたがクモは残ってましたね。実はハエの孵化の横でカマキリの卵も温めております。

小さなカマキリはとってもきれいにアブラムシを掃除してくれるので良かれと思って放り込みましたがカマキリが大きくなると完全にハエを食べますね。

カマキリの卵は人工的に温めて孵化するのか分かりませんが生まれて欲しいような生まれて欲しくないような。途中で出すわけにもいかないのでとりあえず放置しておきます。

アボカドハウスの中にはライチ、リュウガン、レモンなどの木も入っています。なぜかその木が大人気。花はまだ咲いていませんがレモンは葉っぱからすでに良いにおいがしています。今年はライチも初めて花が咲きそうで蕾が沢山膨らんで来ています。まだ咲いてないのにハエが・・・早く咲いてついでに受粉をお願いしたい。ライチも1つくらい実がついたら嬉しいな。

こんな感じのアボカドハウス。花もいっぱい、ハエもいっぱいです。次回のハエ孵化は何日後にしよう?その後どれくらいのペースで孵化させよう?念のため私も受粉手伝った方がいいかな?そんなことしたらハエのおかげか私のおかげか分からなくなる?と悩み多きところで一度ハウスに入ったら長時間ハエと戯れながら観察してられるくらい面白いアボカドハウスになっております。